ストーリー


生まれ育った地に暮らす人はもちろんのこと、故郷を離れて生きている人においても、その土地の風土の中に染みついた故郷の言葉を受け継いでほしい-。

方言と呼ばれる地域独自の言語文化が失われつつある今、方言はこころのふるさとであるという強い思いで、このプロジェクトは立ち上げられました。映画「果てぬ村のミナ」は、浜松市を中心とする遠州地方の中山間地を主な舞台として描かれるファンタスティックな物語。方言はもちろん、地域に住まわれている方々の精神文化を色濃く反映したストーリーとなっています。

「果てぬ村のミナ」プロジェクトは、この映画を核として、ロケ地の観光地化やキャラクターグッズ・関連商品の開発、インターネットでの情報発信など、様々な付加価値のある展開を通して地域振興をめざす試みです。

その噂は、村の老人たちの間で密かに広まった―。

急峻な斜面に、緑鮮やかな茶畑が広がる天音村上ノ集落。

茶づくりを生業としている守屋家の長男・耕助は、自転車で麓の高校に通う高校二年生。

耕助は同級生の聡、瑠璃とロックバンドを組み、放課後、村で唯一の喫茶店「レイラ」のスタジオで練習するのを日課としていた。お茶の収穫を控えたある日、黒髪の美少女・松下神菜が、病に侵された祖母のフミとともに上ノ集落に越してくる。

フミは耕助の祖母・ハルとは幼馴染で、60年ぶりの帰郷だという。

耕助は初対面の神菜に歌がヒドイと笑われるが、謎めいたその美貌に次第に惹かれてゆく。
しかし、神菜には他人には知られてはならない秘密があった―。

(解説)

物語の舞台は、静岡県の北西部。険しい斜面を切り拓いた集落は、天空の村と呼ぶにふさわしい絶景だが、過疎と高齢化が著しく進んでいる。失われつつある地域独自の言語や文化を後世に残したいという強い思いで本作はスタートした。監督は『ラーメン侍』(2011)、『春色のスープ』(2008)、『千年火』(2004)など地域のコミュニティを舞台にした叙情的な作風に定評がある瀬木直貴。主演は、2005スーパーヒロインオーディション・ミス・フェニックスで審査員特別賞を最年少で受賞した土屋太鳳。独特の空気感を持ち、本格派の演技力は、いま最も注目されている女優のひとりである。土屋演じる少女・神菜に翻弄されながらも、次第に惹かれていく同級生・守屋耕助役には、一般オーディションを経て監督の目に留まった石川湖太朗。石川は浜松在住の実在の高校生で、本作が映画デビューとなった。共演者には、浜松出身の斉木しげる、戸田昌宏のほか、小市慢太郎、西山繭子、高田敏江、渡辺美佐子、風間トオル(特別出演)等、ベテラン・個性派俳優が脇を固めている。